家族信託は、どのくらいの資産を持つ層に利用されているのでしょうか。
これまでに当事務所にて家族信託を組成したご家族が、 平均でどのくらいの信託財産があったのかというデータがあります。
専門家に手続きを依頼するケースが多いため、資産家のご家族が利用している制度なのでしょうか。
今回は、その平均額と推移についてお伝えします。
【参考記事】
・家族信託とは?わかりやすくメリット・デメリットを説明します
・家族信託は危険?実際に起こったトラブルや回避方法
・自分には家族信託は必要ない?家族信託が使えない・不要となる場合を解説
・【家族信託の手続き方法まとめ】手続きの流れ・やり方を解説
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目次
家族信託は、お金持ち向けのサービスだった?
数年前までの家族信託は、確かに資産額が大きいご家族が大半を占めていました。
実際、当社が過去にサポートしたお客様の平均信託財産額を見ると、以前はなんと平均して約1.4億円ほどの金額になっていました。
ご利用された方は、中小企業の経営者、地主等々、資産家の方の割合が多く見受けられます。
信託資産の大きいご家庭や経営者のご家族ほど、相続まで含めた信託組成を希望されるケースが多くなります。
そのような理由から専門家へ依頼する傾向にある、資産額も大きくなる、というのが金額データの大きさの理由ではないかと思われます。
現在では、家族信託を利用される層は大きく変化しました。ご自身の介護資金のみであっても信託を組成されるご家族が多くいらっしゃいます。
自宅不動産の管理処分等を子世代に任せるケースが多く、家族信託がより身近な制度になってきている様子が分かります。
かつての家族信託が「お金持ち向けのサービス」だった理由
かつては家族信託の件数そのものがあまり多くなく、お金持ち向けサービスと言われていました。
その理由は主に2点あります。
理由①:得られるメリットや防げるリスクが大きい
認知症対策は高齢になると誰にとっても必要な対策だといえますが、とくに資産額の大きい人物ほど、認知症の進行で被るリスクが大きいということによります。
例として
- 中小企業の経営者…認知症によって企業の経営判断が行えなくなるリスクがある
- 地主…管理しているアパート・マンションの大規模修繕や、入退去者との賃貸借契約、建て替え、不動産の売買などが行えなくなるリスクが大きい
このように、資産の大きい人ほどリスクが拡大しやすい状況にあるといえます。
資産家個人の老後資金のみの問題に留まらず、家族や周囲の人にまで大きなリスクが及ぶことになるため、認知症進行の対策は必要であり、家族信託で備えておく必要性が特に高い、それが信託契約の利用につながっていた、ということになります。
理由②:士業等の専門家が提示する家族信託のサポート費用が高い
家族信託は比較的新しい制度でもあり、かつては「家族信託をきちんと理解し、顧客に提案できる専門家が非常に少ない」という問題がありました。
家族信託に係る裁判事例などもまだ少なかった時期は、何かあった時に参照できる判例が少ない、顧客に説明する際の確固たる事例が乏しい、などの不安も専門家の中に存在していたように思います。
家族信託をあえて扱わないという判断も多かったようです。
今では家族信託もかなり一般に認知されてきてはいますが、それでもまだまだ専門家として活動している事務所の数は少なく、地域差も大きいという傾向にあります。
判例・一般的な指針の少なかった時期のサポート費用
そのため、一般的な指針も少なかった時期は、正しく制度を運用し、お客様に対して安心・安全のサポートを行うためには、1件ずつ個別具体的な判断が必要となり、高度な調査が求められていました。
こうした理由から、かつての家族信託の傾向として、限られた専門家にしか扱えないサービスであり、個別の信託組成やサポートにかかる費用が高額になってしまっていたというわけです。
ただし、利用層が変化してきた現在でも、資産の大きいご家族や代々承継している資産のあるご家族にとって、やはり家族信託は非常に有効な対策法となり得ます。
認知症対策だけでなく、相続や二次承継まで含めた信託組成など、家族信託だからこそできる資産対策があります。
事例・ノウハウが普及しサポート費用が下がってきた
専門家も顧客の依頼に応えるためには十分な証左を必要とします。そのため、情報の少ない分野では取扱いの難しい領域があるのです。
しかし年月とともに、かなりノウハウや専門家が共有できる根拠事例が一般的になってきました。
家族信託の制度についてもテレビや雑誌で特集されたことで、サポートを行う専門家も増えてきています。
現在、都市部では専門家のサポート費用も大きく下がってきている傾向も見受けられます。
家族信託の一般的な費用について
これまでの家族信託のサポート費用の相場としては、信託する財産額の1%を報酬額とする専門家が多くいました。
また、小さな財産の信託でも、報酬の最低額が30万円程度に設定されていることがほとんどでした。
この場合だと、実費等を合わせると、最低でも40~50万円ほどのコストがかかってしまい、一般家庭の方には割高感があったという点は否めません。
最新【おやとこ】
当社もこれまで、上記のような価格帯でサポートを提供していましたが、コストを抑えたサポートメニューの準備を進めています。
必要なご家族に必要なサービスが届かないという状況は大きな問題であると考え、はじめたサービスが『おやとこ』というサービスです。
これにより、当社でサポートをするお客様の層も大きく変化し、一般的なご家庭からのご相談を多く頂くようになりました。
自宅不動産を手軽に信託できる
現在は、ご自身の自宅のみを信託しておくというお客様も多くなっています。つまり、利用者の層が広がり、信託財産が大きくなくても手軽に利用できるようになっている、といえるでしょう。
ちなみに、自宅不動産の固定資産評価額については1,000〜3,000万円くらいが多く、この評価額を元に公正証書を作成したり、不動産の移転登記費用を支払ったりします。
固定資産税評価額は、毎年自宅に発送される納税証明書にも記載されている税金を課税する際の標準額です。
市場での売買価格ではなく、課税用の額となります。おおよそ市場価格の7割程度と言われています。
まとめ
家族信託は認知症対策として非常に有効ですが、認知症対策は、決して富裕層のみのための制度ではなく、年齢を重ねるすべての方にとって必要な備えだといえます。
より多くの方が家族信託とその必要性を知り、そして必要な対策を取っていけるよう、私たちも全力でサポートをしていきたいと思います。
この記事が、認知症対策や家族信託を考えるきっかけになっていただければ幸いです。
そして、疑問点や制度の使い方など、何か気になることがありましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。
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