家族信託の利用を検討するとき、特に費用面を心配されている方も多いのではないでしょうか。

家族信託では「興味はあるけれど、どれくらい費用がかかるのか不安」といった声もお聞きします。

家族信託で発生する費用は、財産額やご家族構成、家族信託で実現したい内容などによって異なりますが、一般的な家庭で金銭を信託した場合は30~60万円ほどが相場になると考えられています。

本記事では、家族信託で発生する費用の内訳や、信託財産の内容に応じた費用シミュレーション、費用を抑えるポイントなどについて詳しく解説します。

要約

  • 家族信託にかかる費用は、実費とコンサルティング費用に分けられる
  • 実費は公正証書の作成費用や信託登記の登録免許税など
  • 家族信託で大きな金額を要するのは初期のみであり、ランニングコストは少額な傾向あり
  • 家族信託は手続きを自分で行うと費用は抑えられるが、不備などによるリスクがある
  • 家族信託を検討するときは無料相談などを活用して、専門家に相談を

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家族信託で発生する費用はいくら?

一般的なご家庭で、金銭を信託した場合は、30〜60万円ほどが家族信託の費用の相場 になると考えられています。

とはいえ、家族信託の費用は、財産額や家族構成、家族信託で実現したい内容によって異なるため、一概に「〇円」とは言えません。

家族信託で発生する費用は、大きく分けると以下に分類できます。

家族信託で発生する費用の種類

  • コンサルティング費用
  • 家族信託契約書の作成費用
  • 家族信託契約書の公正証書化費用(※信託契約書を公正証書化する場合)
  • 信託登記手続きの代行費用(※不動産を信託する場合)
  • 不動産を信託登記するための登録免許税(※不動産を信託する場合)

家族信託の費用相場を把握するために、どの段階でどれくらいの費用がかかるのか、詳しく見ていきましょう。

家族信託で発生する費用

なお、家族信託の制度について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。

家族信託は「認知症による資産凍結」を防ぐ仕組みです。本記事では家族信託の詳細や具体的なメリット・デメリット、発生する費用などについて詳しく解説します。将来認知症を発症しても、親子ともに安心できる未来を実現しましょう。
家族信託とは?メリット・デメリットや手続きをわかりやすく解説!

コンサルティング費用(信託財産の1.1%程度)

コンサルティング費用は、依頼する専門家によって異なりますが、一般的に信託財産の1.1%程度が目安 です。

家族信託の契約や手続きのサポートを専門家に依頼した場合に発生します。

家族信託コンサルティング

例えば、信託する財産が3,000万円であれば、コンサルティング費用として33万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

家族信託では、委託者(親)の全財産を信託財産とする必要はありません

資産凍結を防ぎたい分や、将来的に動かす可能性のある財産だけを信託することで、コンサルティング費用を抑えられます

家族信託のサポートを専門家に依頼するのであれば、どの財産を信託すべきか についても相談して決めると、より良い家族信託が実現できるでしょう。

家族信託契約書の作成費用(約6万円から)

家族信託契約書の作成費用は、依頼する弁護士や行政書士などの専門家によって設定金額が異なりますが、1通あたり約6万円からが目安 です。

財産額や財産の種類、相続の意向といったご家族ごとの状況や希望を伺い、専門家が家族信託契約書を作成します。

家族信託契約書代行費用

家族信託契約書の公正証書化費用(3~8万円程度)

家族信託を公正証書化するための費用相場は、3~8万円程度 です。

公正証書とは、公証人が権限にもとづいて作成する公文書であり、強い証拠力を有する 特徴があります。
参考: Q1公正証書とは、どのようなものですか?|日本公証人連合会

公正証書を作成するにあたって公証役場に支払う基本手数料は、信託財産の総額や契約内容によって異なり、以下のように定められています。

公正証書作成時手数料

参考: 法律行為に関する証書作成の基本手数料|日本公証人連合会

※その他、所定の加算などがあります。

家族信託は委託者と受託者間の合意で契約が成立するため、必ずしも「公正証書化しなければならない」という決まりはありません。

私文書であっても家族信託契約は可能です。

しかし、公正証書化することによって、信託契約の効力を法的に証明できるとともに、家族信託の手続きがよりスムーズに進められるといった効果があります。

家族信託契約書を作成する場合は、その後の手続きなどを考慮し、公正証書で作成するのが好ましいでしょう。

信託登記手続きの代行費用(約6万円から)

信託財産に不動産が含まれているケースで必要となる「登記手続き」を司法書士に代行してもらう場合は、約6万円からが代行費用 として発生します。

登記とは、不動産の所在地や所有権・受益権といった権利を、法務局が管理する「登記情報」に登録し、公示することです。

信託する財産に不動産が含まれている場合は「この不動産は〇〇さんが受託者として所有している不動産」という証明をするために、登記を行う必要があります。

不動産登記

不動産の信託登記は受託者の「分別管理義務」に基づき、登記をもって受託者固有の財産とは分別していることを証明するものです(信託法34条1の1)。

信託登記の手続きは、自分で行えないわけではありません。

しかし、必要書類の収集や手続きが煩雑であり、専門知識を要するため、司法書士に依頼することが一般的です。

家族信託の登記については、詳しくは以下の記事にて解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

家族信託で不動産を信託する場合、登記が必要です。信託法上の受託者の義務ですので、必ず行わなければなりません。家族信託の登記に精通した司法書士は少ないため、専門家選びも重要です。本記事では、信託登記の基礎からわかりやすく解説していきます。
家族信託で登記は必要?不動産を家族信託する場合の手続きや費用を解説!

不動産を信託登記するための登録免許税(固定資産税評価額の0.3〜0.4%)

不動産を信託登記する際は、登録免許税として固定資産税評価額の0.3~0.4%程度の費用 が発生します。

登録免許税とは、登記のときに課せられる税金です。

登録免許税は、信託財産となる不動産の固定資産税評価額を用いて計算され、土地は固定資産税評価額の0.3%、建物は固定資産税評価額の0.4%が課税されます。

(※土地の登録免許税については令和8年3月31日までの減税措置)

登録免許税

参考: 登録免許税法別表第一、租税特別措置法第72条第1項|国税庁

たとえば、土地の固定資産税評価額が2,000万円の場合、登録免許税は2,000万円×0.3%=6万円です。

不動産を信託財産とする場合は、発生する費用として念頭に置いておきましょう。

家族信託を自分でやるときと専門家に依頼するときの費用を比較

家族信託を検討している方のなかには、契約手続きを自分でやるか専門家に依頼するか迷われている方も多いでしょう。

ここからは、契約手続きを自分でやった場合と専門家に依頼する場合で、どれくらいの費用差があるのかを比較します。

家族信託を専門家に依頼した場合にかかる費用

家族信託に関する手続きを専門家へ依頼した場合にかかる費用は、30〜60万円前後 です。

前述した費用のうち、専門家に依頼すると具体的には以下のような費用が発生します。

  • 家族信託の内容や手続きに関するコンサルティング費用:信託財産の1.1%程度
  • 家族信託契約書作成費用(弁護士など):約6万円から
  • 家族信託契約書を公正証書化する費用:3〜8万円程度
  • 不動産の信託登記のための登録免許税:固定資産税評価額の0.3%〜0.4%
  • 信託登記手続きの代行にかかる費用(司法書士):約6万円から

家族信託の手続きを専門家に依頼すると、コンサルティング費用をはじめとした大きな費用がかかります。

しかし、家族信託契約は専門知識を要するため経験豊富な専門家に相談しながら手続きを進められる安心感は大きなメリット でしょう。

家族信託を自分でやる場合にかかる費用

家族信託を自分でやる場合にかかる費用は、20万円前後 です。

具体的には、前述した家族信託でかかる費用のうちの、以下が発生します。

  • 家族信託契約書を公正証書化する費用:3〜10万円程度

  • 不動産の信託登記のための登録免許税:固定資産税評価額の0.3%〜0.4%

この2つの費用は、専門家への依頼有無に関わらず発生する費用です。

家族信託を自分でやった場合にかかる費用

家族信託の契約手続きを自分で行えば、専門家に依頼した場合と比較して費用を大幅に減額できます。

しかし、自分たちだけで進めると不備が発生してしまう可能性も少なくありません

家族信託手続きを自分でやる場合のやり方や注意点については、以下の記事にて詳しく解説しているのでこちらもぜひご確認ください。

家族信託を自分で手続きすることは可能ですが、法律や税金の専門知識がなければ、信託自体が無効になったり、親族間トラブルに発展したりなどのリスクが発生する可能性が高まります。本記事では、家族信託を自分でやる手続きについて、法律や税金の観点からも詳しく解説していきます。
家族信託を自分でやる?必要な手続き・やり方・注意点を解説

専門家を利用した場合の費用(弊社の場合)

家族信託にかかる費用は、依頼する専門家や事業者によって異なりますが、参考までに弊社「おやとこ」に依頼した場合の目安について見てみましょう。

家族信託費用例

上図は、金銭3,000万円を家族信託した場合の費用の概算です。

信託財産が3,000万円なので、コンサルティング費用が33万円、弁護士等による契約書作成費用が約6万円から、公正証書化するための費用が3万円程度となります。

おおよその費用のイメージとして、参考にしてください。

家族信託にかかる費用のシミュレーション

ここからは、家族信託の具体的な費用について、財産の金額や種類などいくつかのパターンを想定してシミュレーションしてみましょう。

家族信託の手続きにかかる実際の費用は、依頼する専門家や信託財産の種類、金額によって大きく変動します。

ここでの費用シミュレーションは、おおよその費用を知るための概算です。

また、自分たちだけで家族信託手続きを行うのは難易度が高いため、本記事では専門家へ依頼することを前提にシミュレーションします。

事例1.現金3,000万円を信託財産にするケース

預貯金などを合わせた現金3,000万円を信託財産とするパターンのシミュレーションです。

この場合、家族信託の費用として発生する金額は以下となります。

  • コンサルティング費用:3,000万円×1.1%(報酬利率)=33万円
  • 契約書作成費用(弁護士等):約6万円から
  • 公正証書化手数料:約3万円

約42万円が費用として発生する見込みです。

信託財産とする金額にもよりますが、現金のみを信託財産とするケースでは登記費用などがかからないため、比較的安価となる場合もあるでしょう。

事例2.土地2,000万円+建物1,000万円を信託財産にするケース

不動産土地1筆(固定資産税評価額2,000万円)と建物1棟(固定資産税評価額1,000万円)を信託財産とするパターンのシミュレーションです。

この場合、家族信託の費用として発生する金額は以下となります。

  • コンサルティング費用:(2,000万円+1,000万円)×1.1%=33万円
  • 契約書作成費用(弁護士等):約6万円から
  • 公正証書化手数料:約3万円
  • 登録免許税:(土地)2,000万円×0.3%=6万円(建物)1,000万円×0.4%=4万円
  • 登記に関する司法書士手数料:約6万円から

必要な費用は、約58万円かかる見込みとなります。

前述の現金のみを信託するケースと信託財産の金額は変わりませんが、土地や建物といった不動産が信託財産として含まれているため、登記手続きが必要です。

事例3.現金1,000万円+土地1,000万円+建物1,000万円を信託財産にするケース

現金1,000万円、不動産土地1筆(固定資産税評価額1,000万円)建物1棟(固定資産税評価額1,000万円)を信託財産とするパターンのシミュレーションです。

この場合、家族信託の費用として発生する金額は以下となります。

  • コンサルティング費用:(1,000万円+1,000万円+1,000万円)×1.1%=33万円
  • 契約書作成費用(弁護士等):約6万円から
  • 公正証書化手数料:約3万円
  • 登録免許税:(土地)1,000万円×0.3%=3万円(建物)1,000万円×0.4%=4万円
  • 登記に関する司法書士手数料:約6万円から

発生する費用は55万円の見込みとなります。

信託財産の金額や内容によって家族信託の費用は異なるため、目安としてご参考にしてください。

家族信託の費用を節約する3つの方法

家族信託を利用するには最低でも数十万円の費用がかかるため、「なるべく費用を抑えたい」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。

ここからは、家族信託の費用を節約するための方法をご紹介します。

家族信託費用節約方法

  • 家族信託の契約手続きを自分で行う
  • 信託財産を必要最低限にする
  • 費用比較して依頼する専門家を選定する

家族信託の費用を節約できれば大きなメリットとなりますが、注意点も存在します。

節約した結果後悔することがないように、しっかりと見ていきましょう。

1.家族信託の契約手続きを自分で行う

家族信託の契約手続きを専門家に依頼せず自分で行うと費用を抑えられます

その理由は、コンサルティング費用や手続きの代行費用がかからないためです。

とはいえ、自分たちで家族信託の契約手続きをする場合は、次のようなデメリットも存在します。

デメリット

  • 契約書の内容次第で家族信託契約が無効になるおそれがある
  • 公正証書化や信託登記の手続きは複雑かつ手間がかかる
  • 贈与税など予期せぬ税金が発生する可能性がある

家族信託契約書の条文を作成するには、民法や信託法などの法律に定められた事項を考慮 しなければなりません。

インターネット上に信託契約書のテンプレートが公開されている場合もありますが、誤りがあったり、テンプレートのままでは各家庭の希望が実現できなかったりといったケースがあります。

また、家族信託契約書を公正証書にする手続きや、信託登記手続きは実務経験のある専門家でなければ難しいのも事実です。

加えて、家族信託は契約内容によっては、予期せぬ贈与税が発生してしまうおそれもゼロではありません。

予定外の課税が生じていることに自分たちで気づくのは難しいため、「こんなはずではなかった」と後悔する場合もあります。

家族信託の契約手続きを自分で行い費用を削減できるのは大きなメリットですが、リスクもよく考慮 したうえで検討しましょう。

2.信託財産を必要最低限にする

家族信託にかかる費用をできる限り抑えるために「信託財産を必要最低限にする 」のもひとつの方法です。

家族信託にかかる費用は、信託財産の金額に応じて異なります。

信託財産ごとの家族信託費用

信託財産とする財産額によって変動する費用の例は以下のとおりです。

  • 家族信託を専門家に依頼する場合のコンサルティング費用
  • 公正証書の作成手数料
  • 信託登記における登録免許税

預金のすべてではなく一部のみを信託財産とする、将来的に売却を検討している不動産のみを信託財産に含めるといった方法であれば、信託財産を最低限にできます。

信託財産を最低限にするためには、認知症を発症した時に「資産凍結されては困る財産 」を信託しておくと良いでしょう。

ただし、信託財産の選定は税金や相続、法律の知識をもとに行う必要があるため、専門家と相談して決めることをおすすめします。

3.費用比較して依頼する専門家を選定する

家族信託を専門家に依頼するときは、費用比較 をしましょう。

家族信託に関するサービスを提供している事業者は多数あり、設定されている費用も事業者によってさまざまなためです。

ただし、事業者の比較をするときは費用のみに着目するのではなく、必ずサービス内容も確認が必要です。

事業者によってサポート内容もさまざまなので「安い」という理由だけで依頼してしまうと、家族信託で実現したかった希望が叶えられない可能性があります。

事業者によっては契約前に無料相談を行っているケースもあるので、費用面でお悩みの方は活用してみると良いでしょう。

家族信託をおやとこでやる場合にかかる費用

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家族信託の契約締結後にかかる可能性がある費用

家族信託は財産管理を家族に託し、信託契約の内容を家族間で実行する制度のため、まとまった費用が発生するのは基本的に導入時のみです。

ただし、例外として家族信託契約の締結後も、次のような費用がかかる場合があります。

家族信託の契約締結後にかかる可能性がある費用

  • 信託監督人を専門家に依頼する費用
  • 受託者に報酬を支払う場合の費用
  • 信託契約の内容を変更する際の費用
  • 信託契約締結後のサポート費用
家族信託締結後にかかる費用

具体的にどのような費用が発生するのか、詳しく見ていきましょう。

信託監督人を専門家に依頼する費用

信託監督人を専門家へ依頼する場合は、月々数万円の報酬を支払う必要があります

信託監督人とは、受託者の財産管理方法は適切か、きちんと契約内容を遵守しているのかを監視・監督する役割です。

信託監督人

必ずしも設定しなければならない決まりはありませんが、受託者の財産管理に不安がある場合や受益者が受託者を監督することが困難な事情がある場合は信託監督人を設置します。

信託監督人については、以下の記事にて詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

この記事では「家族信託の重要人物〜信託監督人〜」と題して、家族信託における「信託監督人」についてお伝え致します。家族信託では委託者は資産の管理・運用を受託者に依頼しますが、さまざまな理由から、受託者の財産管理に不安があるケースもあると思います。その場合に活用できる信託監督人について、この記事でご紹介します。
信託監督人とは?〜家族信託を監視・監督する重要な役割〜

受託者に信託報酬を支払う場合の費用

家族間での信託契約の場合、報酬を設定するケースは少ない傾向にありますが、当事者間の合意があれば信託報酬を設定することも可能 です。

受託者への報酬費用

受託者は、委託者から託された財産の管理・運用・処分が仕事ですが、その負担は決して少なくありません

家族間の関係性にもよりますが、信託事務の対価として信託報酬を設定することで負担感や遠慮を減らし、スムーズに財産管理を進められるケースもあるでしょう。

受託者の信託報酬の決め方や報酬額の目安など、詳しくは以下の記事にて解説しているのでこちらもぜひご覧ください。

家族信託における受託者の「信託報酬額の目安」や「税務上の疑問」などでお悩みではありませんか?この記事では、受託者の「信託報酬」について、報酬額の目安や税務上の注意点などをわかりやすく解説します。
家族信託の受託者の信託報酬はいくらにする?目安や注意点を解説

家族信託契約の内容を変更する際の費用

締結した信託契約の内容を変更する場合は、その旨を記載した契約書を改めて作成する必要があります

つまり、信託財産の総額や契約内容によって異なりますが、専門家に契約書作成依頼した場合、契約書作成費用が再度発生するということです。

家族でよく話し合って信託契約の内容を考えたものの、信託不動産の管理や処分に変更が生じたり、受益権の継承者や継承割合を変更したくなったりといった事態が発生するケースもあるでしょう。

家族信託契約は当事者の合意があれば変更は可能ですが、安くはない料金がかかるということを念頭に置いておく必要があります。

家族信託の契約内容変更については、以下の記事にて詳しく解説しているのでこちらも参考にしてください。

家族信託をする際には、受益権の承継先をどうするかなど、細かい内容までしっかりと決めたうえで契約を行います。しかし、家族信託は数年〜数十年続く契約であるため、途中で契約内容を変更する必要が生じる可能性も十分あり得ます。この記事では、信託契約後にその契約内容を変更するための方法や注意点について解説をしていきたいと思います。
家族信託の契約内容を後から変更することはできる?

信託契約締結後のサポート費用

専門家に家族信託契約を依頼した場合、事業者によっては契約締結後もサポートを提供しているケース があります。

家族信託は契約が締結すれば終わりではなく、そこからがスタートです。

財産管理の方法や契約内容の変更など、信託開始後も専門家に相談したいことがあるかもしれません。

弊社が提供している家族信託サービス「おやとこ」では、月額2,787円~、信託契約の締結後も家族信託の運用方法や不動産の処分、税務・相続対策など幅広くご相談いただけます。

加えて、家族信託の運用を簡単・便利にできる「おやとこアプリ」もご利用可能です。

家族信託開始後の受託者の不安や負担を減らしたい場合は、信託契約締結後のサポートサービスを提供している事業者を探すと良いでしょう。

信託終了時の費用

家族信託終了時にも登記手続きをはじめとした費用が発生する 場合があります。

具体的に発生する信託終了時の費用の例は以下のとおりです。

信託終了時費用例

  • 受益者死亡によって信託が終了した場合の相続税
  • 信託不動産の登記費用
  • 専門家に家族信託終了手続きを依頼した場合の報酬

家族信託の全ての事例でこれらが発生するわけではありませんが、終了時にも費用が発生する可能性があることを理解しておきましょう。

家族信託の費用は高い?成年後見制度の費用と比較

家族信託と比較されがちな認知症対策である「成年後見制度」の費用を比較すると、最終的には家族信託のほうが費用を抑えられる 傾向があります。

なぜなら、初期費用は成年後見制度のほうが安いものの、成年後見制度には後見人報酬をはじめとした継続的な費用が発生するためです。

家族信託と成年後見制度費用比較

弁護士や司法書士などの専門家が後見人に選任された場合の報酬は毎月2〜6万円程度です。
参考: 成年後見人等の報酬額のめやす|裁判所

加えて、成年後見制度はひとたび利用を始めると、原則として途中でやめることはできず、本人が亡くなるまで継続されます。

たとえば、後見人報酬が月額4万円で成年後見制度を5年間利用した場合、発生する費用は240万円です。

よって、成年後見制度では「当初の予想よりもトータル費用がかかってしまった」というケースも少なくありません。

とはいえ、ご家庭の状況によって家族信託と成年後見制度のどちらが適しているかは異なります

どちらを利用するべきか迷われている場合は、費用の比較だけではなく、専門家に相談すると良いでしょう。

家族信託の費用についてよくある質問

ここからは、家族信託の費用についてよくある質問に回答します。

家族信託の費用に対する疑問や不安を解消し、より良い選択をしましょう。

Q1.家族信託の費用は誰が払う?

A1.家族信託に発生する費用は基本的に受益者が支払います。

なぜなら、家族信託には受益者課税の原則があるためです。

家族信託では、信託する内容によって贈与税や相続税だけでなく所得税や固定資産税といった税金が発生する場合もありますが、基本的には受益者がその費用を負担します。

Q2.家族信託で発生した費用は経費にできる?

A2.収益不動産を信託財産とする場合、初期費用をはじめとした家族信託に関する費用を不動産賃貸業の経費として計上できる可能性があります。

とはいえ、収益不動産以外にも信託財産としている財産がある場合は、経費として認められないケースもあるため、注意が必要です。

家族信託で発生した費用を経費計上したい場合は、税理士などの専門家にご相談ください。

Q3.銀行で家族信託をする費用はどれくらい?

A3.銀行で家族信託をする場合、費用は各銀行によって設定されているためさまざまです。

ただし、銀行が提供する家族信託は銀行が受託者となる「商事信託」のケースもあり、一般的な家族信託は意味合いが異なる場合もあります。

商事信託について、詳細は以下の記事にて解説しているのでこちらも参考にしてください。

家族信託の利用を検討している方のなかには「後悔したらどうしよう」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。家族信託の失敗は、対策次第で回避可能なケースもあります。本記事ではよくある失敗事例や成功のための対策を詳しく解説します。
家族信託は後悔する?よくある失敗事例12選と成功のための対策

Q4.家族信託はどこに頼むのが良い?

A4.家族信託の依頼を受け付けている専門家は司法書士や弁護士、家族信託を専門とする民間企業などさまざまです。

頼りになる専門家を見つけるためには、以下のポイントを重視する必要があります。

  • 家族信託組成の実績数
  • 家族信託以外の認知症対策にも詳しいか
  • アフターフォローの有無

専門家の選び方については、以下の記事にて詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

家族信託の相談に最も向いている専門家は、普段から登記や成年後見など、関連性の高い業務を行う司法書士です。司法書士に依頼すれば、家族信託の組成から契約書の作成、信託不動産の登記まで一貫したサポートが受けられます。司法書士を選ぶ時のポイントや必要となる費用も詳しく解説していきます。。
家族信託は司法書士に相談しましょう|メリットや専門家の選び方を解説

家族信託は「安さ」だけを求めるとリスクあり

家族信託の費用は、一般的な家庭で金銭を信託した場合で、30〜60万円ほどが相場 です。

ただし、信託する財産の内容や、契約手続きを自分でやるか専門家に依頼するかによって費用は大きく異なります

加えて、費用を抑えるために契約手続きを自分たちでやる場合は注意が必要です。

家族信託契約は法的な専門知識を要するため、契約書の内容次第では家族信託契約が無効になるおそれがあったり、公正証書化や信託登記の手続きに手間がかかったりするおそれがあります。

とはいえ、事業者によってサポート内容もさまざまなので「安い」という理由だけで依頼してしまうと、家族信託で実現したかった希望が叶えられない可能性も少なくありません。

事業者によっては無料相談を行っているケースもあるので、費用面でお悩みの方は無料相談を活用し、専門家に相談してみると良いでしょう。

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家族信託の「おやとこ」では、
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よくある質問
家族信託と成年後見はどちらの費用が安い?

財産額などによって料金は大きく異なるため、一概にはどちらが安いとは言えません。

しかし成年後見制度で弁護士や司法書士などの専門家が成年後見人に選任される場合、後見が終了するまで(=親が亡くなるまで)専門家に月2万円~6万円の報酬を支払うため、このような場合には成年後見制度の方が高くなります。

家族信託と成年後見制度の費用について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
▶家族信託と成年後見制度はどちらの費用が高い?比べてみました

家族信託の費用を安くできますか?

家族信託を行う際にかかる費用は信託財産の1.1%程度が目安と言われています。

登記費用や公証役場の費用など、契約内容に応じて別途費用が発生することもあります。

しかし経験豊富な専門家であれば、家族信託する財産を調整するなど、家族信託の費用を抑える方法を検討してくれるはずです。

家族信託の費用について詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
▶家族信託と成年後見制度はどちらの費用が高い?比べてみました