「おやとこ」などを運営するトリニティ・テクノロジー株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:磨和寛、以下トリニティ・テクノロジー)は、家族信託などの利用動向を示す土地の信託登記件数について調査しましたのでお知らせします。
目次
調査サマリー
- 土地の信託登記件数は、2023年は昨年比で116%増加した。
- 2019年から2023年までの直近5年間では、同件数は202%増加した。
調査概要
- 調査概要:土地信託登記件数に関する調査
- 調査方法:法務省登記統計表 土地の登記のみの件数より調査
- 調査日:2024年3月24日
≪利用条件≫
- 情報の出典元として「おやとこ」の名前を明記してください。
- ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://trinity-tech.co.jp/oyatoko/
調査背景
家族信託は委託者(主に親)と受託者(主に子)の二者間で行われる私契約であるため、その利用件数を正確に把握することは出来ない。
そこで本調査では家族信託の利用状況の動向を把握するために、不動産を信託した際に必須となる不動産(土地)の信託登記件数の調査を行なった。
2023年の土地信託登記件数の動向
不動産を信託した場合には当該不動産について信託した旨の登記手続きを行う必要があるため、家族信託の動向を把握するためには不動産の信託登記件数が参考となる。
※信託の登記は商事信託などの家族信託以外の信託においても発生するため、当該件数は家族信託の件数とは一致しない
2023年の土地信託登記件数は20,321件と、昨年比116%の増加となった。
2019年から2023年までの直近5年間では、同件数は202%の増加となった。
また、2023年の土地信託登記件数の昨年比をエリア別に見ると、埼玉で130%、千葉で129%、大阪で125%の増加と、主に都市部において同件数が増加したことがわかる。
参考:家族信託の認知率
2023年に実施した45〜65歳の男女約1,000名へのアンケート調査によると、「あなたは認知症による資産凍結問題についてご存じでしたか」(N=1064)という質問に対し「はい」が72.7%、「いいえ」が26.6%という回答となった。
一方、「家族信託についてあなたはどの程度知っているかお答えください」(N = 1064) という質問に対しては、「制度を理解している」が21.0%、「聞いたことはあるが、どんな制度かは詳しくは知らない」が52.0%、「今まで聞いた事がない」が26.2%、「わからない/答えたくない」が0.8%という回答となった。
本調査から、「認知症による資産凍結」リスクは約7割が認識しているものの、その対策である「家族信託」を理解している人は約2割と少ないことがわかった。
厚生労働省によると、2050年には人口約1億人に対し、高齢者が約3,800万人(人口対比約37.7%)、認知症患者が約1,000万人(同約10%)となる見込みである。
出典: 認知症施策の総合的な推進について 令和元年6月20日 厚生労働省老健局
高齢化による認知症患者数の増加に伴い、「認知症による資産凍結」対策の需要は今後も増加する。
土地信託登記件数は増加傾向にあるが、認知症1,000万人時代に備え、「認知症による資産凍結」対策としての家族信託の認知度の向上がより一層期待されるところである。