家族信託は、親(委託者)の財産管理を元気なうちに子(受託者)へ託しておく制度で、認知症による資産凍結の回避につながります。
家族信託は家族全員の合意の下で手続きを進めていくのが理想ですが、家族や親族の間での合意形成や話し合いがうまくいっていないとトラブルになる可能性も考えられます。
そこで本記事では、家族信託において、家族・兄弟間で起こりやすいトラブルや、トラブルを防ぐための対策について解説していきます。
家族信託の仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
家族信託とは?メリット・デメリットや手続きをわかりやすく解説!
家族信託は「認知症による資産凍結」を防ぐ仕組みです。本記事では家族信託の詳細や具体的なメリット・デメリット、発生する費用などについて詳しく解説します。将来認知症を発症しても、親子ともに安心できる未来を実現しましょう。
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目次
家族信託で起こりやすい家族(兄弟)間のトラブル
家族信託は、基本的には財産を預ける人「委託者(親)」と、預かる人「受託者(子)」の二者間の信託契約で成立します。
つまり法律的には、利用にあたって委託者と受託者以外の家族の同意は必要ないということになります。
それでも、一般的には他の家族や親族の同意を取り付けながら家族信託の手続きを行うことが推奨されています。
これは、信託契約締結時には問題がなくとも、将来的に信託財産の管理方法や相続について、兄弟間でのすれ違いのもととなる可能性があるためです。
例えば、父の財産を長男に信託している場合、他の兄弟に信託についての理解を得ていなくても、信託法上は父(委託者)と長男(受託者)の契約で信託が成立します。
しかし、他の兄弟が信託について知ったとき、長男が大きな権限を持っていることに不満をもち、トラブルに発展する可能性があります。
親族間のトラブルを回避する5つの対策法
上述のように委託者(親)と受託者(子)の合意があれば家族信託が可能ですが、他の家族からの同意を得られていない場合はトラブルになるおそれがあります。
その対策として、以下の5つが挙げられます。
- 信託契約書は公正証書で作成する
- 受託者を監督する「信託監督人」を設定する
- 出入金の記録、報告書の作成
- 遺留分に配慮して信託を設計する
- 組成段階から家族信託の専門家へ相談する
上記は、どれか1つを行えばよいというわけではなく、組み合わせて行うことで、トラブルを回避できる可能性が高まります。
対策1.信託契約書は公正証書で作成する
公正証書とは、法律の専門家である公証人の立会いのもと作成する公文書のことです。
契約当事者に意思能力があること、契約内容について合意した上で契約書が作成されたことが証明されます。
例えば、契約内容について他の兄弟から「本当に親の意思で行った契約なのか」と疑問をもたれた場合でも、契約の効力を証明しやすくなります。
ちなみに、家族信託の契約書が公正証書でなければならないというルールや法律はありませんが、予期せぬ誤解やすれ違いを防ぐために、弊社「おやとこ」でも公正証書での作成を推奨しています。
対策2.受託者を監督する「信託監督人」を設定する
財産管理を担う受託者に対する誤解やすれ違いを防ぐ方法の一つに、受託者の業務を監督する「信託監督人」 を置く方法があります。
信託監督人には信託法において、受託者を監督するために必要な権限が認められています。
信託監督人は文字通りの監督目的だけでなく、受託事務のサポートも行うことができます。
よって、受託者の負担を減らす目的での設置もおすすめです。
信託監督人について以下の記事にて詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
信託監督人とは?〜家族信託を監視・監督する重要な役割〜
この記事では「家族信託の重要人物〜信託監督人〜」と題して、家族信託における「信託監督人」についてお伝え致します。家族信託では委託者は資産の管理・運用を受託者に依頼しますが、さまざまな理由から、受託者の財産管理に不安があるケースもあると思います。その場合に活用できる信託監督人について、この記事でご紹介します。
対策3.入出金の記録・報告書の作成
財産を管理する受託者が「親のために財産を管理している」ということを明らかにするためにも、財産の用途について細かく記録を残す必要があります。
具体的に行うべきことは、以下のとおりです。
信託された金銭を使ったときにやること
- 請求書や領収書を必ず保管する
- 通帳をこまめに記帳する
- 支払先や使用用途の記録を残しておく
このように、家族信託内での財産の動きについて、明確に記録しておくことが重要です。
信託法では、受託者は毎年一回、一定の時期に受益者に対して信託事務に関する報告書の作成と報告をしなければいけない旨が定められています(信託法第37条)。
つまり法的な観点でも、報告書の作成と受益者への報告は必須だということです。
財産管理の負担削減と透明化を実現する「おやとこ」アプリ
金銭の利用方法について記録を取り、年度末報告書をきちんと作成することは非常に重要ですが、手作業で行う負担や、提示を求められた際の対応などの負担もかかります。
そのような負担や労力を削減し、財産管理の透明化を担保するには、家族信託専用アプリ「おやとこ」がおすすめです。
おやとこは、信託財産の収支の記録や管理状況を簡単に管理できる国内初の家族信託専用アプリです。
家族間で信託財産の管理状況を共有したり、データ連携によって銀行口座(家族信託専用の口座)の情報の自動で取得したりもできます。
「おやとこ」のアプリを利用し、信託財産の管理状況を家族間で共有すると、財産管理の透明性を担保できます。
その点で「おやとこ」のアプリは家族信託の円滑な運用のために有効なツールです。
家族内での合意形成や、親族の理解を得ることにお悩みの方はぜひお気軽に、弊社「家族信託のおやとこ」へご相談いただけますと幸いです。
対策4.遺留分に配慮して信託を設計する
家族信託には、委託者の生前の財産管理を行うだけでなく、委託者が亡くなり信託が終了した場合に「信託していた財産を誰が引き継ぐか」 を定めることができます。
つまり、信託財産について「遺言」と同様の内容を定められるということです。
ただし、財産の承継について定める場合は、遺留分に配慮する必要があります。
兄弟姉妹以外の相続人には、法律に定められた割合で最低限相続できる権利を持っており、この最低限の額を遺留分といいます。
このように、法律で定められた相続人の権利を侵害しないように信託を設計する必要があるのです。
たとえば、受託者(子)の兄弟が複数人いるにもかかわらず、委託者(親)が亡くなった後、受託者だけに信託財産を承継するというような内容は、他の兄弟の遺留分を侵害してしまう可能性があります。
法律の専門的な知識も必要となるため、詳しくは家族信託の専門家へご相談ください。
対策5.組成段階から家族信託の専門家へ相談する
家族だけで話し合うのではなく、経験が豊富な専門家が第三者の立場で関与することで、論点が整理され、家族間の合意形成がスムーズに進みやすくなります。
また、家族信託の設計はご家族の状況や親の意向などによって変わります。
専門家によるサポートを受けることで、将来を見据えた信託の設計から、契約書の作成、公正証書に関する手続きまで、スムーズに行えます。
さらにアフターフォローにも対応している専門家であれば、信託開始後の相談にも対応してもらえるため精神的な支えにもなってくれるでしょう。
まとめ
以上のように、家族信託では、当事者(委託者と受託者)だけでなく、他の兄弟や親族とのすれ違いを防ぐための対策をしておくことが重要です。
家族信託の仕組みや契約内容の説明など、家族の話し合いに専門家が介入することで客観性を持たせることができ、契約が進む可能性もあります。
ご家族ごとに最適な設計や進め方は異なりますので、まずは家族信託の専門家へ相談することがおすすめです。
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